運動の基本

運動の基本組織方針闘う体制行動目標財政方針むすび―運動の心―

運動の基本

 この「運動の基本」は、UIゼンセン同盟綱領を具体的に実践するための行動のあり方、方向を示すものです。
 労働組合運動は、18世紀後半から始まった産業革命によって大量に発生した産業労働者が自らの権利と労働条件を闘いとるなかで発展してきたものです。現代では、労働組合は自らの労働条件を高める自主的な団体としてその権利が法的に保障され、世界の国々で国民生活の向上と社会的公正を実現していくうえで、政治的、経済的、社会的に大きな役割を果たしています。

 日本の労働組合運動は、1912年に結成された友愛会を源流とする長い歴史をもち、戦後のゼロからの再出発のなかで、労働諸条件の向上、完全雇用の達成、民主主義の実現、福祉の充実などを求めて闘ってきました。

 ゼンセン同盟は1946年に、また、CSG連合は、1996年に全化同盟(1951年結成)、一般同盟(1966年結成)と化労研(1974年結成)がブリッジ統合して結成されました。ともに、多様な産業、業種をカバーし、また中小組合を多く抱える産業別組織として、今日まで一貫して民主的労働運動の実践者として、働く者の生活と雇用を守り、経済的、社会的地位の向上をはかる運動を展開してきました。この両組織に加えて、繊維生活労連(1947年結成)も参加して、2002年9月にUIゼンセン同盟が結成されました。

 私たちの運動の原点は、働く者すべてが人間らしく、心豊かに生きていくことのできる社会を築きあげることにあります。今日では、わが国の経済規模は世界でも有数のものとなり、一人あたりの国民所得は世界のトップ水準になりましたが、経済全体の豊かさが生活の質に結びついていないことや、社会的公正が十分配慮されていないという問題を抱えています。政治、行政、経済システムの硬直性や、急ピッチで進む高齢・少子社会への対応も課題として指摘されています。

 国外に目を転じると、冷戦構造の終結によって、大きな流れとして平和を求める人類の願いがかなう方向に進みつつありますが、地域紛争、民族紛争、テロの多発、開発途上国の貧困といった問題もあります。

 労働組合の目的や活動は一筋の糸のように歴史を貫くものがありますが、同時に、その時々の時代の要請にも応えていくものでなければなりません。今日、労働組合の組織率の低下による力量の低下、組合員の組合離れなどが指摘されていますが、こうした問題にも的確に対応して、新たな課題に挑戦していかなければなりません。私たちは、先人が築き上げてきた運動や理念を大切にしながら、常に時代の変化を見据え、勇気と誇りをもって改革の実践にあたります。

1.社会の進歩、発展のために

 私たちは、労働組合運動が果たすべき社会的役割のきわめて大きいことを自覚し、自由・人権・民主主義が保障され、公平・公正な社会、内外に開かれた透明な社会、生活者を優先する社会、友愛や連帯の精神が生かされる社会の実現へ向けて全力を注ぎます。
 私たちは、社会正義を大切にし、開拓者・改革者としての自覚を忘れることなく、世の中の一切の不公正や社会悪に対し、率先して挑戦します。

2.産業民主主義と参加型労使関係の前進のために

 産業は国民生活向上のためにあるのであって、産業のために国民生活が犠牲になることがあってはなりません。私たちは、産業民主主義の原則にたって、労働条件と労働者の生活文化を高め、経済的、社会的地位の向上と発展に力を注ぎます。
 私たちは、労使関係を階級的対立や一心同体で捉えるのではなく、労使対等の原則にたち、相互の自主性を尊重した労使関係を確立します。
 私たちは、産業・企業の健全な発展が、雇用の安定と労働者生活の向上、社会の進歩と経済の繁栄につながるよう、生産・販売、サービスの原点では協力し、その公正な成果配分を求めます。
 企業は市場経済の中で、競争しながら利潤を追求していく組織体ですが、同時に、社会の一員としての役割と責任を果たす必要があります。私たちは、労働組合の立場から経営への参加と発言を強めるなかで、健全な企業経営とその責任についてのチェックを行います。

3.生活者優先の政治体制実現のために

 私たちがめざす社会は、政治的には議会制民主主義を基本とし、経済的には市場経済原理が生かされ、自由と人権が保障され、公平・公正が貫かれ、働く者や生活者が優先される社会です。そのため住宅、福祉、環境など生活者重視の政策と、中央から地方への分権による活力ある地域社会の実現をめざします。同時に、経済的豊かさだけではなく、思いやりや社会への貢献が尊重される社会をめざします。
 冷戦構造の終結によって、かつてのイデオロギー中心の政治から、政策中心の政治が求められるようになりました。私たちは、国内においてはゆとりと豊かさが実感できる社会を求めつつ、広く世界にも目を開き、国際社会の一員としての役割と責任を果たし、環境にも配慮しながら地球全体の豊かさを求める政治体制を求めていきます。他方、人格を否定し、体制に人間を屈従させる全体主義とは毅然として対決し、闘います。
 こうした政治・経済・行政のシステムを実現していくために、私たちは、理念、政策を同じくする政党への支持、協力、提携を行うとともに、共通の考え方にたつ諸団体、友誼組合や地域社会とも協力して、政治へ参加していきます。

4.世界の平和と繁栄実現のために

 私たちは、人類の悲願である世界平和実現のために運動します。世界平和の基礎は、民族の完全な独立が保障され、自由と人権が守られ、地球上の富の偏在をなくし、すべての国の国民生活を安定させることにあります。
 冷戦構造は終結しましたが、地域、民族紛争、テロは残っており、国際的緊張がなくなったわけではありません。私たちは、不戦と世界との共生を誓った「日本国憲法」の精神をふまえ、国連を中心とした世界の安定と平和のために貢献し、わが国がアジアの近隣諸国をはじめとした世界の国々から、敬意と信頼をもたれる国になるよう働きかけます。
 また、国際労働運動やNGO(非政府機関)活動などを通じて、私たちの手でできる国際貢献運動も積極的に進めます。

5.友愛と連帯の精神が満ちあふれる社会づくりのために

 働く者すべてが人間らしく、心豊かに暮らせる社会を実現するためには、友愛と連帯の精神が満ちあふれる社会にしていくことが必要です。それは、人と人がいたわりあい、助け合う社会です。私たちは、ボランティア精神を大切にして、同志の助け合いや共済活動を通じて、安心して暮らせる制度を充実させるとともに、国の内外において困っている人、助けを求めている人たちに支援の手を差しのべる活動を進めます。

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